Last Updated 2021.02.01
モバイルユーザビリティを向上させるAMPとは何か?
AMPという用語をご存知でしょうか?2017年頃から聞くようになったWEB業界のトレンドなのですが、WEBサイトをモバイル端末での表示に特化して軽量化・高速化するというプロジェクトです。AMPとは略称で正式名はAccelerated Mobile Pages といいます。このAMPプロジェクトは、2015年10月GoogleとTwitterの2社が中心として関わって開始され2021年にかけて推進・普及させようとしています。それはWEBサイトのデザインに関係してきます。WEBサイトはPC用デザインを基本として、昔はPC用サイトとモバイルサイトでデザインを分けたサイトを構築していたのが、HTML 5 規格の登場によってWEBデザインもフレキシブルになり、レスポンシブデザインというPC端末でWEBサイトを見た時とモバイル端末でWEBサイトを見た時に、WEBサイトのデザインを可変させて一つのWEBデザインで表示させるというトレンドがありました。
WEBサイトページのデザイン性と重量化
レスポンシブデザインはPCサイトとモバイルサイトの垣根を無くしました。と、同時にモバイル端末にはデザインを可変したPCサイトがそのまま表示されるので、1ページあたりの表示データ量が飛躍的に増えることとなりました。PCページでは当たり前のアイキャッチ画像や、ページ内の解説写真・動画など容量が大きいデータをモバイル端末でダウンロードすることになったのです。それは、モバイル端末でWEBサイトのページを表示させるのに時間がかかる要因になりました。そのため、モバイルフレンドリーなWEBサイトが必要になってきたということで立ち上がったのがGoogleとTwitterを中心としたAMPプロジェクトです。
AMPはSEOにも影響することになりました
自サイトのAMP化はSEOの観点からみても有利になると考えられています。それは、Googleが検索結果にAMP対応ページがある場合ページ読み込み速度が早いためランキングに影響すると明言しているからです。
AMPプロジェクトによるHTMLの策定
AMPプロジェクトでは、WEBサイトのデータが肥大化しないように細かいところまでHTMLの規格が策定されています。そのAMPの仕様は限定的で、表示されるページは昔のimodeページのようなシンプルなページ構成になるように策定されています。AMPプロジェクトの構造化には
- AMP HTML/CSS
- AMP JS
- AMP Cache
と大きく分けて3つの要素から構成されています。
表示の高速化を実現するために、WEBサイトのHTML構造を簡素化してデータ量を減らすことと同時にAMP CacheというAMPのWEBページをサーバーにキャッシュして、ユーザーに高速でデータを転送するということを行っています。そのため、モバイルのユーザーは瞬時に見たいWEBサイトを表示することが可能になり、モバイルユーザビリティが向上するというわけです。
AMPの進化
AMPプロジェクトは当初はその限定されたHTMLマークアップとJS規格のため、キュレーションメディアやニュースサイトと相性が良く導入されていました。しかしAMPが知られるようになってきてニーズが高まったのはECサイト等の物販業界でした。ECサイトでは1ページあたりに表示する商品のデータ量が激増しページ表示速度が低下、ユーザーはページ読み込みの遅さにうんざりして離脱してしまい機会損失が大きいと嘆いていました。その中でAMP化して成功したのがアメリカのeBayというECサイトでした。2017年頃からAMPプロジェクトもアップデートされてECサイトやポータルサイトで使用できるようなHTML構造が策定されて拡大していきました。2018年には日本の食べログやマイナビ等もAMP対応し、AMPプロジェクトはますます勢いを増しています。
これからのWEBサイトはAMP対応が必要か?
SEO関連の用語としてモバイルフレンドリーという用語があります。これはWEBサイトがモバイル対応のデザインであって、モバイルにも最適化されているということです。AMPもモバイルフレンドリーなのですが、AMPとモバイルデザインWEBサイトでは考え方が少し変わってきます。モバイルフレンドリーなWEBサイトのデザインは、SEOにおいて検索結果に影響する大事な要素です。
もし、あなたのWEBサイトがモバイルに対応していないと検索ランキングが下がる可能性あります。モバイル端末でのアクセスが約6割を占める今の時代は、モバイルでのアクセスに最適化されたWEBデザインというのは必須ということです。一方、AMP対応WEBサイトは検索ランキングが上昇する可能性はあっても、AMP対応WEBサイトが無いからといって検索結果ランキングが下がるということは無いということです。
まぁこれも2021年初頭のSEOの考え方と見方で、2022年にはどうなっているかはわかりません。AMP対応WEBサイトは無くても検索結果ランキングに影響はありませんが、AMP対応WEBサイトがあって検索結果ランキングが上がる可能性があるのなら用意しておいて損はありません。幸いWordPressにはプラグインでAMPに対応できるものがいくつかあります。次回はおすすめのAMPプラグインを紹介しようと思います。