Last Updated 2021.12.21
現在のマーケティングの定義とは何か?
マーケティングは産業革命時代は製造中心の考え方が主流でした。そこから情報産業時代の消費者志向へと変化し、現在は価値主導のマーケティングへと進化しています。このマーケティングの定義の変遷はマーケティングを学問体系に整理したP.コトラーの提唱するマーケティング3.0に集約されます。
P.Fドラッカーの提唱するマーケティングの定義
P.Fドラッカーは企業の目的は顧客の創造であり、企業は2つだけの基本機能を持つと言っています。それはマーケティングとイノベーションです。
顧客の創造が企業の目的ですので、マーケティングは顧客からスタートします。顧客は何を買いたいのか?、何に価値を見出すのか、何で満足するのか、を問うことから始まります。
ドラッカーのマーケティングの定義は明快です。マーケティングが目指すのは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることであると言っています。つまりは、何もしなくても売れる仕組みを作ることがマーケティングだというわけです。
P.コトラーのマーケティング論
マーケティングを学問体系に整理したP.コトラーは、マーケティングとは、価値を創造し、その価値を提供し、他の人々と交換することを通じて、個人やグループが必要として欲求するものを獲得する社会的、経営的過程であると定義しています。
コトラーのマーケティング論は産業革命時代、産業技術の進化によってマーケティングも進化しており、物質的ニーズを持つ購買者に製品を販売することを目的としていた時代をマーケティング1.0、マインドとハートを持つより洗練された消費者に、情報技術を活用して消費者を満足させて繋ぎとめることを目的とした消費者志向のマーケティングをマーケティング2.0、ソーシャル時代にマインドとハートと精神を持つ全人的存在の顧客に、世界をより良い場所にすることを目的としている現在をマーケティング3.0であると定義しています。
日本マーケティング協会のマーケティングの定義
マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である
他の組織とは教育・医療・行政などの機関、団体等を含む。
グローバルな視野とは国内外の社会、文化、自然環境の重視。
顧客とは一般消費者、取引先、関係する機関・個人、および地域住民を含む。
総合的活動とは、組織の内外に向けて統合・調整されたリサーチ・製品・価格・プロモーション・流通、および顧客・環境関係などに係る諸活動をいう。
と定義しています。
マーケティングの本場は欧米ですので、日本のマーケティングの定義はどこか抽象的というか的が広すぎてぼんやりしています。
価値という言葉は非常に重要で、Googleもユーザーに価値のある検索体験を提供することでこれだけの大企業に成長しました。Googleが日々検索アルゴリズムをアップデートしているのは、ユーザーにより良い検索結果を提供し、より良い価値のあるWEBサイトを紹介するために検索アルゴリズムをアップデートしています。これは、検索アルゴリズムをアップデートしてユーザーに価値のある検索体験をしてもらうことでより多くのユーザーに使ってもらい、そこから広告として表示したWEBサイトもクリックしてもらうところから収益を上げるビジネスモデルだからです。
Googleの提唱するユーザーファースト
Googleのユーザーファーストのマーケティングは、ユーザーは価値のある検索体験を無料で提供してもらうことができて、Googleはより多くのユーザーにサービスを利用してもらうことで結果として広告収益が多くなります。ユーザーという消費者を価値のある検索体験で満足させ広告もクリックしてもらうことで、広告を出稿している顧客と企業ともにWin-Winの関係にあるビジネスモデルなのです。
Googleがもしも、ユーザーファーストではなく広告を出稿している顧客ファーストに方針を転換したとしたら、ユーザーという名の消費者は価値のある検索体験は得られず、広告出稿している企業のWEBサイトばかりの検索結果となりユーザーはあっという間に離れていってしまうでしょう。
Googleの検索アルゴリズムは日々アップデートされる
Googleのシェアは今や世界規模です。Googleが風邪をひけばユーザーはくしゃみをすることになるでしょう。そのくらい影響力が大きい存在になっています。私達WEBサイトの制作者は、Googleの検索アルゴリズムを意識して記事を作成するのではなく検索しているユーザーに価値のある記事を提供するつもりで記事を執筆しないといけないのです。私達WEBサイト制作者のマーケティングはGoogleの検索フォームに検索キーワードを入力して探している情報を探しているユーザーに、価値のある記事を提供することを目的としています。一昔前は、キーワード選定やメタディスクリプションを使ったSEO施策で検索上位に表示させることも可能でした。しかし、Googleの検索アルゴリズムは日々アップデートしていて様々な要因を複合的に計算して検索結果を表示しています。それはもうキーワードSEOなどという生ぬるいものではなく、AI検索と呼んでも差し支えないレベルまできていると私は考えています。
今のGoogle検索の結果で上位表示させるならどうしたらいいか?という問いに対して、私だったらこう答えます。唯一の答えはGoogleを利用しているユーザーに、ユーザーが探している情報に対して答えとなる価値のあるコンテンツ・記事を提供することです。これが本質であり答えです。