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消費者行動モデル-AIDMA・AISAS・VISAS複雑化するコミュニケーション経路

Last Updated 2021.02.08

消費者行動モデル-複雑化するコミュニケーション経路

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消費者行動モデルは、マス媒体時代の標準であったAIDMAモデルからインターネットの検索エンジンを活用する時代のAISASモデル、そしてSNS時代のVISASモデルへと多層化して、媒体の進化とともに消費者モデルも変化しています。WEBマーケティングでは主にAISASモデルとVISASモデルを中心にマーケティングしていくことになります。AIDMAモデル、AISASモデル、VISASモデルについてそれぞれ解説していきます。

AIDMAモデル-マス媒体時代の標準的な消費者行動モデル

消費者行動研究の歴史は古く、AIDMAモデルは1920年代にアメリカで広告宣伝に対する顧客の購買行動を示すものとして提唱されました。顧客に対して、広告を使用して注意(Attention)を促し、興味(Interest)を持たせ、欲求(Desire)を抱かせ、記憶(Memory)に刻み込み、購買(Action)につなげるという一連の消費者の態度の変容は、マス媒体時代には有効なモデルでした。
AIDMAの法則では、消費者がある商品を知って購入に至るまでに次のような段階があるとされています。

Attention(注意)
Interest(興味)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(購買)

このうち注意(Attention)を認知段階、興味(Interest)、欲求(Desire)、記憶(Memory)を感情段階、購買(Action)を行動段階と区別しています。

注意(Attention)-認知段階

注意(Attention)は消費者に商品を知ってもらうというプロセスです。
どんな商品でも、顧客が商品を買ってくれる前には、まずその商品の存在を知るというプロセスがあるはずです。私たち販売者側の視点で考えると、まずは商品を知ってもらわなければ話にならないということになります。つまり、どのようにして商品を知ってもらうかという施策を最初に行う必要があります。商品を知ってもらう方法は色々あります。

  • チラシを配る
  • ポスターを貼る
  • 目立つところに看板を立てる
  • 口コミを促す
  • テレビCMを利用する
  • 雑誌・専門誌に広告を出す
  • 無料セミナーを開く

等、他にも色々あると思います。
例に挙げた方法以外にも消費者に商品を認知させる方法はありますが、重要なのは何を行えばターゲットとしている消費者(ユーザー)に商品の情報を届けることができるのかというところです。

興味(Interest)欲求(Desire)記憶(Memory)-感情段階

興味(Interest)は、どのようにして商品に興味を持ってもらうかということです。

  • どうすればチラシをしっかり読んでくれるのか
  • どうすれば看板に興味を持ってもらえるのか
  • どうすれば無料セミナーに来てもらえるのか
  • どうすれば広告に興味を持ってもらえるのか

商品について認知してもらった次は、どのようにしてその商品に興味関心を抱かせるかが重要であるというのがAIDMAモデルです。
実際に行う施策として、

  • 消費者の興味を惹くキャッチコピーを作る
  • 看板やチラシのデザインを目を向けてしまうようなものにする
  • 無料でセミナーを開催したり、無料のサンプル商品を配る

欲求(Desire)は、消費者(ユーザー)がこの商品が欲しいという欲求を抱いてくれる段階です。
しかし商品にもよりますが、基本的に多くの消費者はこの段階ではまだ購入には至ってくれません。
消費者が商品を購入するとき、衝動買いという消費者は少数派だと思います。その商品を欲しいと思ったあとに、本当に購入するべきかを考えてから行動(購買)する人が多数だと思います。
そのため欲求(Desire)の段階は、商品をすぐに買わせるという段階ではなく、欲しいという気持ちの種を植え付けるというイメージになります。
消費者に購買欲求を持たせるために重要なのは、ターゲットの欲求を理解しそこを刺激することです。ターゲットとしている消費者が何を求め、何に悩んでいるのかを明確にしそれを解決できるというアピールを行います。そうすれば、ターゲティングや消費者の欲求を間違えていない限り、消費者に欲しいと思ってもらえるはずです。

記憶(Memory)は、消費者が欲しいという欲求を持った状態の先のことです。その商品を欲しいと思った消費者は色々と調べる人もいれば、一時期は欲しいと思ったけれどもそれを忘れてしまう消費者もいます。その商品を欲しいという欲求を忘れずに、そのまま商品を購入してくれる消費者ばかりならいいのですが、人間の感情は時間とともに忘れていくものなので、実際は中々うまくいかないものです。そこで、記憶(Memory)の段階でするべきことはリマインドになります。リマインドとは、消費者に欲しいという欲求を思い出させるということです。例えば、1度店舗に足を運んでくれたお客様にリマインドのメールを送信してみたり、ポスティングしたチラシを2週間後に同じチラシを再配布したりといった施策などです。
消費者によっては、このリマインドの施策で商品のことを思い出し、そこから欲しいという気持ちが再燃して購入に至ってくれる場合もあります。機会損失しないように、リマインドができるならきちんと行っておきましょう。

購買(Action)-行動段階

購買(Action)はその名のとおり、消費者が購入に至ってくれる段階を指しています。
この購買で重要なのは、いかに購入に対する障壁を取り除き消費者の背中を押せるかということになります。ターゲットとしている消費者が買いやすい販売方法にはどういったものがあるのかを考えたり、消費者が購入する際に不安を抱くことは何かを考えたりします。つまりは、消費者が買いやすい環境を作り買わない理由を取り除くということです。
リアル媒体でのビジネスの場合は、店内が綺麗、店員が親切、在庫があってすぐに購入できる、店舗独自の保証を付けるなどがあると消費者の購買行動を後押しできるのではないでしょうか。

AISASモデル-検索エンジン主流時代のネット型消費者行動モデル

インターネットの検索エンジンの出現によって、消費者行動に大きな変化が生じ始めます。気になる商品やサービスに対して、注意を促し、興味を持つまではAIDMAモデルと同じなのですが、その後消費者は検索エンジンで関連情報を徹底的に調べる(Search)行動に移ります。その結果、購買(Action)をして、さらに自分の意見をWEBで共有(Share)するのです。こうした新たな消費者の動きを広告会社の電通がAISASモデルとして考案しました。

AISASモデルの特徴

AISASモデルの主な特徴は大きく分けて2点が挙げられます。

  • インターネットで商品の情報収集をして購買に至るまでの意思決定を行う
  • 購入した商品についての評価や感想・体験をインターネットでシェアする

インターネットの普及によって生じた検索(Season)と共有(Share)というプロセスを組み込んだことが、AISASモデルの特徴です。
インターネットが普及した現在ではユーザーによって共有された評価や口コミといった情報が、第三者の購買行動プロセスにおける認知・注意や興味・関心、検索を喚起させる役割を担っています。また、実物を手に取らなくても、インターネットの検索によって得た情報だけが購入の決め手になるなど、消費者の購買行動は日々進化していると言えます。

VISASモデル-SNS主流時代のネット型消費者行動モデル

SNSが主流となっている現在では、スマートフォンにフェイスブックやツイッター、LINEから友達の情報がひっきりなしに届くようになっています。SNS時代は他者からの購買喚起がメインとなり、それが「いいね」と同調されて、購買につながるといった新しいVISASモデルが誕生しています。
AIDMAモデルが古いとかいうそういう話ではなく、消費者行動モデルが地層のように多層化しているという認識が正しいのではないでしょうか。コミュニケーション経路は多様で、多層で、複雑になっているのです。

VISASモデルの特徴

VISASモデルは2010年に提唱されました。口コミ(Viral)、影響(Influence)、共感(Sympathy)、購買(Action)、共有(Share)がループする新しい消費者行動モデルです。

  • 口コミ:消費者は口コミによって商品を認知します
  • 影響:消費者は口コミによって影響される
  • 共感:消費者は影響を受けたことで共感する
  • 購買:消費者が商品を購買する
  • 共有:消費者が商品の評価をインターネットで共有する

SNS主流の時代においては、情報の多くは他者の口コミによってもたらされ、共感を抱くことで購買の決定をすると定義しています。消費者が何かを欲しいと感じるのは、自分で商品を検索するという行動からではなく、第三者からの口コミによって始まるという考え方です。
そして、商品の購入後は情報をインターネット上で共有することで、口コミがさらに拡散して情報が循環していくというプロセスを表しています。
AISASモデルでは、自分が欲しいと思っているもの(顕在的ニーズ)を求めますが、VISASモデルでは自分が欲しいと気づいていなかったもの(潜在的ニーズ)を掘り起こせるという特徴があります。

AISASモデル・VISASモデルのまとめ

SNSの登場によって、VISASという新しい消費者行動モデルが生まれました。それは、他者からの口コミによって商品の情報を得て、共感することで購入するというAIDMAモデルやAISASモデルにはなかった新しい消費者行動モデルです。
SNS共有型の消費者行動モデルは、SNSを通した場合の購買心理の動き方です。マーケティング戦略としては、従来のAIDMAモデル、AISASモデルも同時に考える必要があります。

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