Last Updated 2022.01.20
4C分析とクロスSWOT分析-マーケティングの分析フレームワーク
4C分析は自社とそれを取り巻く市場環境のプレイヤーを分析することで、今後の市場の見通しを検討するためのフレームワークです。市場を構成する自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)、流通(Channel)の4つのプレーヤーを分析することで、ビジネス環境の現状把握を行います。
4C分析とは
4C分析の4Cとは、自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)、流通(Channel)の頭文字をとって、4Cと呼ばれています。
この分析は、PEST、Five Forces、7Sというマーケティングのフレームワークで見えてくるトピックスをまとめる大きなフレームワークで、市場のプレーヤーの動きを把握して、自社がどう市場を開発していくのかを考えます。
自社分析では、ヒト、モノ、カネ、情報、技術、ブランド、取引先との関係性をチェックしていきます。
顧客分析では、顧客数、市場トレンド、市場規模、購買実態、消費者インサイト、動機、消費トレンドをチェックします。
競合分析では、7SやFive Forcesを使用して、競争相手の戦略や資源を見極めるとともに、新たな競合(代替や新規参入)などをチェックしておきます。
流通分析では、大手流通だけではなく、卸や電子商取引の動向もチェックして、最終的な顧客の手元に渡るまでの動線を踏まえて、新たなルート開拓の可能性を探します。
このように市場のプレーヤーの動きを加味して、今後どこをメイン市場にして、どう攻略するかを考えていくのが4C分析です。
4C分析の概要
自社分析、顧客分析、競合分析の3つを3Cと分類し、そこへ流通分析の1Cが加わって4Cを構成します。
自社分析(Company)は自社資源、ヒト、技術、ブランドなどの分析を意味します。
顧客分析(Customer)は消費者行動、規模、購買頻度、動機などの分析を意味します。
競合分析(Competitor)は競合相手の商品、戦略、資源などの分析を意味します。
流通分析(Channel)は商品が消費者へ届く場の力学やプロセスの分析を意味します。
市場全体の分析
市場の定義:参入する市場はどこからどこまでか、領域を定義します
市場規模:市場のサイズは購買金額と数量の両面で把握します
市場トレンド:成長か縮小か、変化の様子を把握します
主なプレーヤー:市場でプレーしている主な企業はどこか、何が強いのかを分析します
クロスSWOT分析とは
クロスSWOT分析は、情報を整理して組み合わせ、打ち手を考える分析です。
企業の強み、弱み、外部環境の機会、脅威の全体的な評価をおこない、それぞれの要素を組み合わせて、具体的な打ち手を考えるフレームワークです。
他のマーケティングフレームワークで分析してきた情報を整理整頓する時に重宝するのが、SWOT分析です。この分析は外部環境と内部環境の情報をプラス要因(追い風)とマイナス要因(向かい風)に分類して、戦略を組み立てている基礎情報をまとめるために用います。
しかし、SWOT分析だけでは、情報を整理するだけで何も起こりません。重要なのは、情報同士を掛け合わせることによって、ビジネスの具体的な打ち手を考えることです。そのために有効なフレームワークがクロスSWOT分析です。
内部環境 | |||
---|---|---|---|
Strength(強み) 自社の強み・長所 |
Weakness(弱み) 自社の弱み・短所 |
||
外部環境 | Opportunity(機会) ビジネスチャンスになる要因 |
SO戦略 強みを機会の中で最大化する |
WO戦略 弱みを補完して機会を活かす |
Threat(脅威) ビジネスに不利になる要因 |
ST戦略 強みによって脅威に対処する |
WT戦略 弱みと脅威の最小化、リスク回避 |
上表のようにSWOTの要素でマトリクスを作ると、戦略の方向性が見えてきます。まず、強みを機会の中で最大化するSO戦略があります。これは、外部と内部のプラス要因を掛け合わせて積極的にビジネスを仕掛けていく戦略で打ち手を考えるものです。次に考えられるのが、自社の弱みを補完して機会に活かすWO戦略です。これは自社の課題を改善することで市場に適応していくという戦略です。また、自社の強みによって脅威に対処していくST戦略も考えられます。外部環境が不利な状況においても、自社の強みで解消していく戦略です。
最後に自社の弱みと脅威を最小限にして回避するWT戦略があります。これは、最悪の状況に陥らないための防御・回避の戦略ですが、この戦略を考えざるを得ない場合は撤退も視野に入れておくべきでしょう。